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網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症とは

網膜静脈閉塞症とは、網膜の静脈が閉塞し、神経網膜に十分な血液が流れなくなる病気です。閉塞した部位から末梢は血管が破綻し出血を起こします。
50歳以上の方によく見られる病気ですが、発症には高血圧が関わっている場合が多いです。高血圧によって網膜の血管の動脈硬化が進行することで、網膜静脈閉塞症のリスクが高くなります。糖尿病や脂質異常症の方も注意が必要です。
眼底出血を起こす代表的な病気です。

網膜静脈閉塞症の症状

  • 視力の低下
  • 視野が暗くなる
  • 視野がぼやけて見える
  • 視野の一部が黒っぽく見える
  • 視野の一部が欠ける

治療が遅れると、視力や視野も回復しにくくなります。症状に気づいた時の受診はもちろん欠かせませんが、特に50歳以上の方は定期的に眼科で検査を受けるようにしましょう。

網膜静脈閉塞症の原因は?

網膜静脈閉塞症の原因は、高血圧などを背景とした動脈硬化によって、網膜の静脈が閉塞することにあります。
網膜静脈閉塞症は、閉塞した部位に応じて、以下の2つに分類できます。

網膜中心静脈閉塞症

一番太い根本で網膜静脈(網膜中心静脈)が詰まるタイプです。網膜静脈閉塞症全体の約2割を占めます。
眼球全体の血流が悪化するため、視力低下、視野障害が強く現れます。

網膜静脈分枝閉塞症

枝分かれした網膜静脈のうちの1本が詰まるタイプです。網膜静脈閉塞症全体の約8割を占めます。
詰まった領域の網膜だけが障害されるため、視力や視野への影響は限定的です。

網膜静脈閉塞症の検査方法

視力検査・屈折検査

視力を調べる視力検査、近視・遠視・乱視の度数を調べる屈折検査を行います。

眼底検査

散瞳薬を点眼した上で、細隙灯顕微鏡などで網膜の状態、眼底出血の有無を調べます。
検査後3~4時間は散瞳薬の影響でまぶしさを感じるため、ご来院の際もご自身でのお車の運転はお控えください。

眼底三次元画像解析検査(OCT)、OCTアンギオグラフィー

網膜静脈閉塞症のより詳細を調べる検査です。
網膜や黄斑のむくみや組織障害の程度など、眼底の状態をより詳しく調べることができます。

蛍光眼底造影(FAG)

フルオレセインという造影剤を使って、網膜静脈の血流、閉塞の程度、血液成分の漏れの程度、新生血管の有無などを調べます。

網膜静脈閉塞症は失明する病気?
治る可能性は?

網膜中心静脈閉塞症は、放置していると失明に至ることがあります。ただ、急に眼が見えなくなっても眼痛などを伴わないため、受診が遅れてしまうケースが少なくありません。一度障害された神経細胞は元に戻りませんので、そのまま失明となってしまうこともあるのです。
治療が早期であればあるほど、視力が回復する可能性も高くなります。反対に受診・治療が遅れると取り返しのつかないことになるため、特に50歳以上の方は定期的に眼科を受診し、検査を受けましょう。

網膜静脈閉塞症の治療方法

網膜静脈閉塞症では、主に以下のような治療を行います。

薬物治療

薬物療法として、抗VEGF療法(硝子体注射)が有効です。黄斑浮腫を改善したり、新生血管を抑制する効果が期待できます。

レーザー治療

血流が低下した虚血網膜にレーザーを照射します。病態の悪化を止めるためや、硝子体出血の予防を目的とした治療であり、黄斑浮腫や視力が改善することはあまりありません。

硝子体手術

硝子体出血が起こっている場合には、硝子体手術の適応となります。その他、抗VEGF療法の効果が不十分な場合にも行われることがあります。
白目部分に小さな穴をあけ、そこから器具を挿入し、濁ったり出血している硝子体を取り除きます。

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